日本原燃は29日、青森県六ケ所村で建設中の再処理工場の完成目標を「2026年度中」に延期すると県や村に伝えた。延期は27回目。9月にもむつ市で始まる使用済み核燃料の中間貯蔵後、県は燃料の搬出先として再処理工場を想定するが、青森県の宮下宗一郎知事は中間貯蔵施設の稼働開始には影響しないとの考えを示した。
同社は22年12月、完成目標を「24年度上期のできるだけ早期」と定めていて、約2年半の延期となる。使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを、MOX燃料に加工するMOX燃料工場も8回目の延期で、完成目標を約3年半遅らせ「2027年度中」とした。
完成時期を延期する大きな要因として、原子力規制委員会から耐震評価などで多くの指摘を受け、審査に時間を要している点がある。同社は再処理工場の対応について、建屋や機器、配管など全ての耐震設計対象を再評価▼構造設計で、全ての条文を見直し▼竜巻、火災、重大事故等対策で追加工事――などを行うとする。規制委への説明は25年11月、規制委の審査は26年3月までと見込み、その後、重大事故等対処訓練に9カ月掛かると想定したという。
増田尚宏社長は同日の会見で、「耐震評価に非常に多くの時間がかかる。再処理特有のものと2年前はわかっていなかった」と釈明した上、「二度とこういう風にはならない」と強調した。
ただ、日本原燃の説明に不信感をあらわにしたのが宮下知事だ。
「本当に再処理工場やMOX…